スーダン市民屈せず 軍クーデター2週間 団結と不服従 「民政 必ず実現」
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-11-08/2021110806_01_0.html
スーダンで、軍がクーデターによって権力を掌握してから7日で2週間がたちました。市民は弾圧に屈することなく、軍の支配をうち破ろうとたたかいを続けています。
軍がハムドク首相ら文民政治指導者を拘束した10月25日以降各地でデモやストライキが続いています。住民によると首都ハルツームでは店や銀行、教育機関、政府機関の多くが閉鎖されています。市民は道路も封鎖しています。
本紙の電話取材に応じた大学生のアリ・ハムーダさん(21)は「団結と不服従のたたかいがクーデターを打ち破る力だ。文民が統治する国を実現するためには、弾丸も恐れない」と語りました。
これまでに治安部隊の弾圧で15人の死亡が伝えられています。負傷者も多数出ています。それでも民衆は弾圧に負けず、路上で軍への怒りを示し続けています。
ストやデモを呼び掛けている民主勢力「自由と変革の宣言勢力」のサティア・ハジさん(42)は「スーダンの民衆には強力な独裁政権を倒した歴史がある」と振り返ります。
同国では2018年12月、パン値上げ反対のデモが始まり、バシル大統領退陣を求めるデモに発展。19年4月、30年に及んだ政権を倒しました。ハジさんは「私たちは軍の支配を打破し、必ず民政を実現できると確信している」と力を込めます。
呼び掛けに応じ、自身が経営するサンドイッチ店を閉めているアブ・オマルさん(45)も「汚職がまん延し、国民を貧困に陥れたバシル政権の時代に戻すわけにいかない。この思いが軍にあらがう人びとの原動力だ」と言います。
バシル政権崩壊直後、軍が移行期の権力を独占しようとしましたが、民衆はデモで抵抗し、それを許しませんでした。その後、民衆と軍は民政移管までの合同統治を定めた憲法宣言に署名。軍は今回のクーデターでこの統治体制を解体しました。
「自由と変革の宣言勢力」のハジさんは軍に対し、ハムドク首相らを解放し、憲法宣言に沿った民政移管の義務に戻るよう求めると強調します。一方、民衆のなかには「軍は絶対に信頼できない。合同統治などできない」との声もあります。
オマルさんは「軍がクーデターの試みを完成させることはたやすくない。私たちが路上に立ち続けるからだ。しかし、私たちの要求実現も容易でない。専制体制を排除し、民主国家をつくるには長い闘争となる覚悟が必要だ」と語りました。