「無実の逮捕」で国を提訴 1年勾留のすえ死亡
逮捕・起訴され、およそ1年の勾留のすえ、死亡した男性。遺族らが「無実の逮捕」を訴え、国などに損害賠償を求める裁判が27日、始まりました。
「みなさん元気ですか?じいじはあまり元気ないけど頑張ってるよ」
病院から家族にメッセージを送る、相嶋静夫さん。胃がんを患っていました。相嶋さんは去年3月、勤務先である機械メーカー、「大川原化工機」の社長ら2人とともに、軍事転用可能な「スプレードライヤー」を無許可で中国に輸出したとして、逮捕・起訴されました。拘置所での勾留中に末期の胃がんが見つかりますが、刑事被告人であることを理由に複数の病院が診療を拒否。家族が入院先を見つけるまで2か月を要したといいます。
相嶋静夫さん
「早く元気になって、みんなに会いたいです。もういい」
そして勾留が始まってから11か月、相嶋さんは亡くなりました。遺族は・・・
相嶋さんの長男(40代)
「逮捕・勾留さえなければ、(がんの)検診を受けていたと思いますし、そこで発見できれば、治療の内容も変わってきたし、結果も変わってたんじゃないかと思いますと、(家族との)ほんとに貴重な時間を奪われたという悔しい思い」
相嶋さんが亡くなった半年後、事件は、意外な展開を見せます。
東京地検
「軍事転用が可能だという点について疑義が生じた」
東京地検が突如、相嶋さんらの起訴を取り消す、異例の判断をしたのです。相嶋さんが取り調べの記録を書きとめていたノートには、捜査当局に対するこんな言葉がありました。
相嶋静夫さん
「あらかじめ作ってあったシナリオに、うまく乗せようとしていた」
保釈申請も7回出しながら、すべて却下されていた相嶋さん。相嶋さんの妻は、勾留中の面会が忘れられないといいます。
27日 17時58分 TBS
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4391857.html