新型コロナウイルスワクチンの接種率を高め、免疫をもっていない人も感染から守る「集団免疫」の獲得が難しくなっている。感染力の高い「デルタ株」が広がっているためだ。集団免疫の獲得は世界的大流行の収束につながると期待されていたが、ワクチンだけでは限界が見えてきた。今後は、それを踏まえて日常生活や経済をどう動かしていくのかが、焦点になる。
「全ての希望者がワクチン接種を終えたとしても、社会全体が守られるという意味での集団免疫の獲得は困難」。政府の新型コロナウイルス対策分科会が3日にまとめた提言には、こんな文言が記された。政府の資料で、希望者全員が接種した後でも、集団免疫が達成できないことが明示されたのは初めてのことだ。
当初、新型コロナウイルス感染症に対する集団免疫は、60~70%の接種率で達成できる可能性があると試算されていた。この値は、ウイルスなどの感染しやすさを表す指標のひとつ「基本再生産数(R0)」から算出できる。新型コロナの場合、R0は当初2~3とされていた。
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