国際オリンピック委員会(IOC)は29日、第8代会長で、肥大化した五輪のスリム化に取り組み、IOC委員の汚職撲滅に尽くしたジャック・ロゲさんが亡くなったと発表した。79歳だった。
ロゲさんはベルギー・ヘント出身。ヨット選手として1968年メキシコ五輪から3大会連続で五輪に出場した。91年にIOC委員に就任し、98年から理事。2001年、五輪の商業化に貢献したサマランチ元会長の後を継いで第8代会長に就任した。
13年9月に開かれたIOC総会では、ロゲさんが20年夏季五輪の開催都市に「東京」が選ばれたと発表。「トーキョー」のひとことでも有名だった。
整形外科医の経歴を生かし、ドーピングに対してはメダル剝奪(はくだつ)も辞さない厳しい姿勢で臨んだ。若者のスポーツ離れを食い止めるために、14~18歳世代が競うユース五輪を創設し、10年にシンガポールで第1回大会を開いた。
13年にIOC会長を退任してからはIOC委員も辞任し、一線を退いた。
IOCによると、葬儀は近親者のみで行う予定。年末には関係者を集めた追悼式を行う見通しだという。
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