批判と炎上
ホームレスや生活保護受給者へのヘイトスピーチで、メンタリストDaiGoさんが大きな批判を浴びている。私も動画を観たが、あまりの醜悪さに言葉を失った。
私自身、生活保護を受けている人々に対する心理的な支援を行っている身でもあり、聞いたこともないようなあからさまなヘイトを目の当たりにして、大きなショックを受けた。そして、これまで人類が人権のために闘ってきたその歴史は何だったのだろうかとさえ思わされた。
あからさまな差別に対して、われわれがまずやるべきことは、明確に声を上げて「NO」を突き付け、社会としては絶対に許容できないという態度を示すことである。
彼の言論のどこが問題であるかについては、数多くの専門家が声明等を出しているので、ここではこれ以上立ち入ることはしない。
その一方で、彼はどうしてあんな発言をしたのか、その発言の裏にある心理について聞かれることが何度かあったので、ここではそれについて述べてみたい。
疑似科学のエンターテイナー
彼の心理を分析するため、まったく不本意ではあったが、過去の彼の動画を何本か観てみた。
まず最初にはっきりさせておきたいのは、彼は心理学者でも科学者でも何でもないということだ。動画を観て、根本的に科学の人でないことがはっきりわかった。
心理学をより身近に人々に紹介した点は評価できるが、その内容は贔屓目に見ても陳腐である。巧みな話術やプレゼンテーション能力で誤魔化していただけで、彼の話の内容は、通俗的な心理読み物や出典もよくわからない論文の抄録などを切り貼りしただけの寄せ集めに過ぎない。
科学的根拠もないようなサプリメントや健康情報を断定的に薦めたり、自ら宣伝したりしていることも多い。つまりは、疑似科学の権化のような存在となっている。
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https://news.yahoo.co.jp/byline/haradatakayuki/20210817-00253546