長すぎたのかソースが切れたので
続き
>スヴァートリング=ペーターソン氏は今回の研究を、フリーズドライ食品の意義にたとえる。医療従事者だろうと冒険好きのキャンパーだろうと、「電気のないあらゆる場所へ行く際に、フリーズドライ食品は最適の食べ物」だと述べた。
世界中の企業が粉末ワクチンについて調査を進める中、スヴァートリング=ペーターソン氏は別の「期待できる技術」についても指摘する。
イコノボからわずか徒歩10分のところにあるスタートアップ企業の「シックム(Ziccum)」は、既存の液体ワクチンを効果を維持したまま乾燥させるエアドライ技術を研究している。
成功すれば、途上国にいわゆる「フィル・フィニッシュ(充填と包装)」施設を簡単に設置でき、ワクチン製造の最終段階を各地域で行えるようになるという。
この粉末ワクチンは、接種直前に無菌化した水に混ぜ、注射を使って接種させる。
しかし、シックム社のギョラン・コンラートソンCEOは、この技術であれば鼻腔スプレーから錠剤まで、「あらゆるタイプの摂取への道」を開けると話した。
「そのためには大掛かりな研究開発が必要だが、原理としては可能だ」
環境に優しい代替品
1回で接種が完了するワクチンを開発し、イギリスなどで承認されたヤンセンは、すでにシックム社のエアドライ技術を分析するための試験プロジェクトに取り掛かっている。
ヤンセンの広報担当は、このプロジェクトが新型ウイルス向けなのか、他の感染症を対象としているのかは明らかにしなかったものの、将来的に「ワクチンの流通、接種、そしてコンプライアンスを簡素化できる可能性のある新技術を開拓する」目標の一環だと説明した。
ワクチンの粉末化技術は、注射針が苦手な人たちの助けにもなる。さらに、ワクチンを保管する冷蔵庫や冷凍庫が不要になり、電力面での環境負荷が低くなるという。
さらに、世界全体のワクチン接種率向上にも寄与すると期待される。
コンラートソンCEOは、「全員が安全になるまで、誰も安全ではない」と話す。
「世界のどこかで新型ウイルスが流行している以上、何が起こるか分からない」
国際NGO「感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)」のイングリット・クロマン広報担当も、「パンデミックやエピデミックに世界規模で闘うには、あらゆる状況の人にワクチンが届くようにしなくてはならない」と同調する。
一方でクロマン氏は、粉末ワクチンはまだ開発の初期段階にあり、製造プロセスの簡素化や規模拡大など「やるべきことがたくさんある」と慎重でもある。
「しかし成功すれば、ワクチンが入手・使用しやすくなり、廃棄が減り、ワクチン接種事業のコストも低くなる可能性がある」
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-57967937