インターネット上の誹謗中傷を受けた被害者の迅速な救済に向け、匿名の投稿者を特定しやすくする改正プロバイダー責任制限法が21日、参院本会議で全会一致により可決、成立した。来年秋ごろまでに施行する。現行では、投稿者の特定に手続きが2回必要だが、新たな裁判手続きを創設し、1回で完結するよう改める。
匿名の発信者による投稿で被害を受けた場合、投稿者を情報開示で特定し、損害賠償請求を行う。特定には会員制交流サイト(SNS)事業者やプロバイダー(接続事業者)を相手にそれぞれ訴訟を起こすなど2回の手続きを経るため、円滑な被害救済には手間がかかっていた。
新たな手続きでは事業者を訴えなくても、被害者の申し立てに基づき裁判所が開示の適否を判断するため、1回の手続きで済み、被害者の負担が軽くなる。時間の短縮にもつながることが期待される。現状の発信者の氏名や住所に加えて、ログイン記録を開示対象に含めることも盛り込んだ。
https://www.sanspo.com/geino/news/20210421/sot21042121570029-n1.html