田村市長に新人・本田氏が初当選 現職・冨塚氏の4選阻む
任期満了に伴う田村市長選は9日、投票が行われ、即日開票の結果、無所属新人で前県議の本田仁一氏(54)が、無所属現職の冨塚宥暻氏(71)に4541票差をつけて初当選を果たした。本田氏の任期は17日から4年。
町村合併に伴い2005(平成17)年に市が誕生して以降初の選挙戦では、人口減対策や市の将来像をどう示せるかが争点となった。県議としての経験や人脈を生かして産業創出、子育て支援策などの主張を訴えた本田氏への支持が市内全域に広がり、有権者は「市政刷新」を選択した。冨塚氏は3期12年の実績を強調したが票は伸びず、4選を阻まれた。
市選管によると、当日の有権者数は3万2254人で、投票率は72.32%(男性72.39%、女性72.26%)だった。当選証書付与式が10日、市役所で行われた。
白石氏が市議補選初当選
田村市長選と同日程の市議補選(欠員1)も9日、投票が行われ、即日開票の結果、新人の団体職員白石勝彦氏(63)が当選した。
市政刷新の負託受ける
現職と新人の一騎打ちとなった田村市長選。市政の継続か刷新かを焦点に舌戦が展開されたが、新人の本田氏が初当選、市政刷新の負託を受けた。
本田氏は2月に「地域衰退に歯止めをかける」と立候補を表明。人口減対策として産業創出や雇用確保、子育て支援を掲げて支持を訴えた。県議時代の後援会組織を全市的に拡大させ、自民党の推薦を受けるなどして票を固めていった。
冨塚氏は3期12年の実績を強調し、市政継続を呼び掛け選挙戦を戦った。後援会組織を軸に票を集め、玄葉光一郎衆院議員(福島3区)が応援に駆け付けるなどして上積みを狙った。
「首長は冨塚。県議は本田」。これまで両氏を応援してきた有権者も多く、支持層が一部重なり選挙戦の構図は複雑になった。町村合併以降初の選挙戦ということもあり有権者の関心は高まり、投票率は約72%に達した。ここ最近の県内市長選を見ても高く、両陣営が予想した「65~70%」も上回った。
両氏の政治家としての実績から接戦になるとの見方もあったが、本田氏が大差をつけた。投票率が上がったことで新しいリーダーに期待する浮動票が本田氏に流れた格好だ。
両氏が主張した施策は細かな部分こそ異なっていたものの、市が抱える最重要課題である「人口減を食い止める」との方向性は一致。本田氏には、市民が1票に託した思いに応えるための実行力が求められる。
◇田村市長選開票結果(選管最終)
当13,843 本田 仁一 54 無新
9,302 冨塚 宥暻 71 無現
https://www.minyu-net.com/news/senkyo/FM20170411-163587.php
2017年04月11日 福島民友新聞