今国会の政府提出法案のうち、12府省庁の計20法案・条約の条文や関連資料にミスが判明した。
政府が24日、立憲民主党に報告した。野党は強く反発し、全法案の点検が済むまで、
2021年度予算案などを除き審議に応じない構えだ。立て続くミスに与党からも苦言が相次いだ。
野党の幹事長らは国会内で会談し、「厳重に抗議し、政府に是正報告を求める」ことで一致。
立憲の福山哲郎幹事長は記者団に「何が間違っているか分からない法案を審議できない。
その状況をつくっているのは行政府だ」と強く批判した。
加藤勝信官房長官は記者会見で、「全ての法案について誤りがないか再点検している。
結果を早急に取りまとめ速やかに国会へ報告したい」と語った。
自民党の森山裕、立憲の安住淳両国対委員長が電話で協議し、
25日の衆院議院運営委員会の理事会で、加藤氏から全体像と
再発防止策について報告を受けることで合意した。参院でも25日に説明を聴取する。
立憲によると、法案などの間違いは誤字や脱字などのケアレスミスが多いが、
防衛省設置法等改正案の関連資料では「カナダ軍」とすべきところが「英国軍」となっていた。
20本には、既に誤りが判明した政権肝煎りのデジタル改革関連法案なども含まれる。
与党からも厳しい声が上がっている。自民党の下村博文政調会長は会見で、
各府省庁の責任者を党本部に呼んで厳重注意したと明かした上で「政府は緊張感がない」と非難。
公明党の山口那津男代表も「度重なるミスは断じて許されない。与党への報告も迅速ではない」と声を荒らげた。
ただ、役所側にも事情があるようだ。内閣府職員は「コロナ対応のため職場の人数が少ない中で
読み合わせをしなければいけなかった。リモートではやりにくい」と漏らす。立憲の蓮舫代表代行は会見で、
働き方改革にも触れつつ「労働環境が相当過酷になっているのではないか」と指摘した。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021032401243&g=pol