体重20キロ減、吐血でも見殺し、女性死亡の入管の闇が深すぎる
志葉玲 | フリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)
3/17(水) 11:50
https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20210317-00227820/
またしても、法務省・出入国在留管理庁(入管庁)で重大な人権侵害だ。迫害から逃れてきた難民や、家族が日本にいるなど、母国に戻れない人々の事情を考慮せず、法務省・入管庁は、その収容施設に「収容」している。こうした収容施設では、暴力や虐待、セクハラ等、非収容者に対する非人道的な扱いが常に問題となり続け、被収容者が死亡する事件も毎年のように発生している。今月6日にも、スリランカ人女性が名古屋入管の収容施設で死亡。深刻な体調不良を本人や支援団体が訴えていたにもかかわらず、女性を収容していた名古屋入管側が適切な医療を受けさせなかったことで、痛ましい結果を招いた可能性が高いという。本件について、今月12日、参議院議員の石川大我氏が国会で法務省・入管庁側を問いただした。
○倒れても、まともな薬すら与えない、点滴も認めず
今月12日の国会での石川大我参議院議員と佐々木聖子入管庁長官のやり取りによると、亡くなった女性は30代で、母国で大学を卒業後、英語の堪能さを活かし、日本の子ども達に英語を教えたいとの夢を持って2017年に来日。専門学校に通っていたのだという。ところが、両親からの仕送りが途絶え学費が払えなくなり、留学生ビザが失効。さらにコロナ禍で母国へ帰るに帰れず、昨年8月、名古屋入管に収容されてしまったのだという。その後、女性の体調は悪化。今年1月の時点で、既に深刻な状態だったという。
石川議員「お亡くなりになられる前の面会の記録がありまして、支援者の方の許可を得て、プライバシーを守りながらお話をしたいと思いますが(中略)1月には体重が12キロ減、これ30代の女性の方ですからね、12キロ減るというのはかなりしんどいと思います。喉に違和感があり御飯が食べられない、施設の看護師に相談をすると、適度な運動や胃のマッサージをするようにと言われた。12キロ減って、適度な運動や胃のマッサージをしろ、これ適切ですか」
佐々木長官「今お尋ねの点を含めまして、亡くなられた方の診療経過あるいは健康状態の推移につきまして現在調査中でございます」
石川議員「1月下旬になると足の痛み、胃の痛み、舌がしびれるなど訴え、とうとう血を吐いてしまう、死にそうというふうに面会される支援者の方に訴える、この後も嘔吐、吐血。そのときに入管職員何と言ったか、迷惑だからといって単独房に移されたと、そういうふうに証言しています。目まい、胸の動悸、手足のしびれ、施設内の診療所で処方されたのはビタミン剤とロキソニンですよ。ビタミン剤と痛み止め、これだけで本当に(医療が)充実していると言えるんでしょうか。まともな体制でしょうか」
佐々木長官「その経緯につきましても調査中でございます。先ほど申しましたように、不断にこの医療体制については充実させていきたいと考えています」
(中略)
○入管関係で20人が死亡している!
入管の収容施設内または業務下での死亡者は、この20年余りで20人に上る*。その死因で目立つのは適切な医療を受けさせなかったことであり、今回亡くなってしまった女性の件、と同根の問題である。石川議員が指摘するように、入管法「改正」の国会審議の後に、今回の死亡事件の調査報告がまとめられるのでは論外だ。むしろ、入管法「改正」の審議を一旦停止してでも、まずは死亡事件についての、詳