新型コロナウイルスの影響で外国人アーティストの来日公演がほとんど行われないなか、政府が新たに、洋楽プロモーターへの支援に乗り出す方針を固めたことが分かりました。
アメリカのハードロックバンド、MR.BIGの演奏に酔いしれるファン。新型コロナの水際対策により、現在、こうした外国人アーティストによる来日公演はほとんど行われず、イベントを手がける洋楽プロモーターは非常に厳しい経営を強いられています。
去年2月に政府が大規模イベントの自粛を要請してからは、ほぼすべての来日公演がコロナ収束後までの延期、または中止に。コンサートプロモーターズ協会によりますと、加盟している10社のチケット売り上げだけでも、損失がおよそ363億円に上っています。しかし現在、国内アーティストを手がけるイベント主催者への国の救済制度はあるものの、洋楽プロモーターは適用外となっており、見直しを求める声が強まっているのです。
国会でも・・・
「もしこれで日本のプロモーターが死んだら、シンガポールだったり台湾だったら、他のところに全部持ってかれますよ。再検討するっていうことを約束いただけないですか。まず検討してください」(立憲民主党 寺田 学 衆院議員)
「救済をしていかなくちゃならないということは、そのとおりでありますから少し考えてみます」(梶山弘志 経済産業相)
「フェス、ライブ関係者が建物の中に入っていきます」(記者)
こうしたなか、8日、音楽プロモーター側は経済産業省の担当者とオンラインで協議しました。 出席者によりますと、この中で経産省側は日本のコンテンツ振興のための支援制度を洋楽プロモーターにも拡大適用し、最大で5000万円の補助金を支給する方針を伝えたということです。経産省は近く、こうしたガイドラインの改定を発表する方針です。
「フェスも消える運命になるかもしれないっていうところでは、かなりの方々が『なんでサポートしないんだ』っていうことを声を上げてくれたんで、そこは大きかったんですね」(クリエイティブマン 清水直樹 社長)
夏の音楽フェスティバル「サマーソニック」を主催するクリエイティブマンの清水社長は経産省の対応を歓迎しつつも、まだ厳しい状況だと語ります。
「これ(救済制度)では賄えないような損害というのは、本当、皆さんしてると思うんですよ。これに代わる何か補償制度っていうのが、また、例えば文化庁なり文化なり、いろんなところに広がっていってもらえれば、本当にありがたいなと」(クリエイティブマン 清水直樹 社長)
大型フェスの火を絶やさぬためにも、さらなる取り組みが求められています。
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4217469.html