「男女が同じ選択肢を」 夫婦同姓、国連は改善勧告最高裁が「合憲」判決
「夫の姓を強いるな」UNウィメン事務局長
国連は2003年、同規定を差別的だと廃止を求め、09年に再勧告、3月には3度目の是正勧告をしている。女性の地位向上を目指す国連機関「UNウィメン」のプムジレ・ムランボヌクカ事務局長に国際社会の見方を聞いた。
――最高裁判決をどう受け止めますか。
「国連ははっきりとした立場をとっている。女性は選択肢を持たなければならない。男女の平等を確かなものにする一例として。国連の女子差別撤廃委員会も同様に女性に選択肢をという明確な立場をとる。日本がそれを尊重すると希望を抱いている」
「世界で多くの女性が夫の姓を選んでいることは事実だ。だがそれを強いることは別問題だ。基本的に女性には選択肢がなければならないと考えている」
――国連はこのたび、再三の是正勧告をしました。
「国連は廃止勧告を繰り返し強調することが重要だ。UNウィメンは女子差別撤廃委員会のかつての勧告を可能な限り確実なものにすることを支持する」
――女性が働きやすい環境作りを日本政府に忠告するとしたら、どのようなことを伝えますか。
「20年までに女性の管理職を30%にするという日本政府の目標は称賛に値する。これは追い風であり始まりでもある。高等教育を受けている日本人女性にとっては達成可能だろう。日本人女性には多くの選択肢があるのだから、その豊かさとスキルを生かせば、日本は男女平等の主導的な国になれるはずだ」
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO98795970U6A320C1TY5000/