英最高裁、ウーバー運転手は「従業員」 最低賃金や有給休暇などの権利認める
英最高裁は19日、米配車サービス大手ウーバーの運転手について、個人事業主ではなく従業員として扱われるべきとの判断を示した。これにより、数千人の運転手は最低賃金や有給休暇が認められる可能性が出てきた。
裁判所の判断により、ウーバーは多額の賠償金請求に直面す可能性があり、単発で仕事を受注して収入を得るいわゆる「ギグ・エコノミー」により広範な影響を及ぼすこととなる。
ウーバー側は、今回の判決は数人の運転手に関するものだと主張した。
同社はこれまで運転手は従業員ではなく個人事業主だと主張してきた。しかし長期におよぶ法廷闘争で、雇用審判所や控訴院などで3度にわたり訴えを退けられ、最高裁に上訴していた。
ウーバーは複数の国でも、運転手を従業員と個人事業主のどちらに分類すべきかをめぐり提訴されている。
英最高裁の判断がウーバーのビジネスモデルに与える影響への懸念から、同社の株価は19日の米株式市場の取引が始まると急落した。
最高裁の判断
最高裁は、自分たちはあくまでも仲介者だとするウーバー側の訴えを判事全員の一致で棄却。運転手は乗客を乗せている間だけでなく、アプリにログインしている間は勤務中とみなされるべきだと結論付けた。
最高裁が考慮した要素の一部は次の通り――。
ウーバーが運賃を決め、運転手が稼げる金額を設定している
ウーバーが契約条件を設定し、運転手側に発言権がない
乗車リクエストはウーバーに制約されている。ウーバーは運転手があまりにも多く乗車拒否した場合にペナルティを課すことができる
ウーバーは5つ星評価を通して運転手のサービスを監視し、警告を繰り返しても改善されない場合は契約を終了する権限を持っている
こうしたことなどを理由に、最高裁は運転手はウーバー社に従属する立場にあり、収入を増やすには長時間労働しかないと判断した。
(かなり長いので以下割愛)
https://www.bbc.com/japanese/56094079
2021年2月20日 11:42 BBC