原発120基分の発電力が1年で 中国、再生可能エネルギー急拡大
中国が再生可能エネルギーの導入を急拡大している。2020年に新設された風力発電の設備容量(最大時の発電能力)は前年の2.7倍、太陽光発電も8割増となった。発電設備の規模としては、原発約120基分もの再エネがわずか1年で整備された計算だ。これに対し原発の設備容量の伸びは前年比7割減にとどまった。原発に依存せず、温室効果ガスを削減する構えを見せる中国。エネルギー基本計画の改定を控えた日本はどうする?
「石炭火力の容量が占める割合は初めて50%を下回り、風力発電は過去最高を更新した。風力、太陽光は発電量も急増している」。中国電力企業連合会は、昨年の電力需給動向を引き合いに、再エネの導入拡大に胸を張る。
中国は世界最大の温室効果ガス排出国だが、習近平国家主席は昨年9月の国連総会で、「30年までに二酸化炭素(CO2)排出量を減少に転じさせ、60年までに(CO2排出量を実質ゼロとする)カーボンニュートラル達成を目指して努力する」と表明。さらに12月の別の国連会議で、太陽光と風力の設備容量を30年までに計12億キロワット以上に引き上げる意向を示した。
これは、石炭を主力とする現在の火力発電全体の設備容量に匹敵する規模だ。風力と太陽光の容量は19年末で4.1億キロワット。毎年7000万キロワット以上のペースで増やす必要があり、目標達成は容易ではないと見られていたが、昨年はこれを大きく上回る1.2億キロワットの設備導入が行われた。
背景にあるのは、…
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https://mainichi.jp/articles/20210219/k00/00m/030/150000c
毎日新聞 2021/2/19 20:00(最終更新 2/19 20:00)