川淵氏の就任で心機一転再スタートのはずが、一夜にして白紙に戻る大どんでん返し。
森氏、川淵氏が事前に各方面に何の根回しもしていなかったのも驚きだが、進退問題のさなかには「組織委が決めること」と知らん顔を決め込みながら、後任には口を出す政府や与党の二枚舌にはあきれてものが言えない。
森氏の“女性蔑視発言”から始まった今回の混乱がどれだけ国民の五輪離れを加速させたか、この人たちはまだ分からないのだろうか。ただただ情けない限りだ。
IOCは五輪憲章で政治の介入に対して厳しい姿勢を示している。日本ではほとんど報道されていないが、先月には財務面などが政府の管理下に置かれているとしてイタリア・オリンピック委員会が資格停止処分の対象とされた。同委員会は開催権の剥奪を恐れ、慌てて独立性を保証する法案を議会に提出。かろうじて処分を免れた。
現実にはスポーツと政治は切っても切れない関係にあり、政治からの独立はお題目にすぎないのだが、少なくとも表向きIOCはこの問題に関しては敏感に反応する。
もし今回のどんでん返しが政権主導で、後任も政権側の意向に沿って選出されるようなことにでもなれば、五輪憲章違反の疑いを持たれる可能性は十分にある。
そうなれば最悪、東京五輪の開催権剥奪、つまり五輪を開くための新しい会長を選ぶことによって五輪が消滅するという本末転倒の話にすらなりかねない。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/9105fe2bec7e91cddd4f0861cab4362fd5633782
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