生活保護 1人廃止なら6万円余 委託企業へ報酬
大阪市が受給抑制
民間職員、就労を“違法指導”
コロナ禍の下、「最後のセーフティーネット(安全網)」として、その役割が改めてクローズアップされる生活保護制度ですが、民間委託によって受給を抑制する仕掛けが大阪市で問題となっています。生活保護受給者が支援によって就職し、保護廃止となった場合、1人当たり6万1111円を委託料に加算する―。大阪市が民間企業に委託する「総合就職サポート事業」の特約条項です。大阪市の資料によると、同市では「成果」に応じて企業に「報酬」が支払われる仕組みが存在します。(速水大地)
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(写真)大阪市内の区役所で配布されている「就労決定された方々の声」。この資料では1人をのぞいた全員の就労先が「パート」になっています
大阪市が生活保護受給者などを対象に行う「総合就職サポート事業」は、2011年度に開始。派遣大手パソナなどの民間企業に業務を委託しています。各区にある保健福祉センターに派遣された民間職員は、利用者への就職アドバイスや履歴書の書き方を教えるなどの業務を行っています。
(中略)
大口氏は「企業に丸投げして、後は知らぬ存ぜぬの状況が続いている。適切な支援のために、社会福祉士など専門資格を持つケースワーカーの増員は必須。そのために国は生活保護費用負担を75%から100%にし、自治体の負担軽減を図ることも必要です」と話します。
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政府は、生活保護のケースワーク業務の外部委託方針を19年12月に閣議決定しました。これには公的責任の縮減や、保護受給者への管理強化などさまざまな問題点が指摘されています。コロナによる失業が増え、生活保護利用者の増加が予想される今、立ち止まって見直すことが必要です。
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2021年1月28日(木)