小型無人機(ドローン)による攻撃の脅威が高まっていることを受け、防衛省は車両に搭載したレーザーによる撃退方法の検討に着手する。車両に載せることで機動性を確保するのが狙いで、2021年度予算案に28億円を計上。24年度にも技術を確立し、実用化を急ぐ考えだ。
防衛省はすでに18年度から、高いエネルギーを照射してドローンを破壊するレーザーの実用化に向けた研究を行っている。21年度からは、車両に搭載できるよう「小型化」と「高い出力」を両立したレーザーの実証実験を始める方針だ。
さらに、電磁波の一種である「マイクロ波」でドローンを機能停止させる研究を継続するため、21年度予算案に5億円を盛り込んだ。マイクロ波の装置は小型化が難しく、艦艇などに搭載することを想定している。
ドローンは低コストで入手が可能なため、テロリストによる悪用が懸念されている。実際、18年8月にベネズエラで爆発物を積んだドローンによるマドゥロ大統領の暗殺未遂事件が発生。19年9月にはサウジアラビアの油田施設がドローンによる攻撃で大規模な被害を受けた。
日本でも、15年4月に首相官邸の屋上に放射性物質を載せたドローンが落下する事案が発生。中国が軍用ドローンの開発を加速させていることも念頭に、防衛省は対策を急ぐ考えだ。
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