給付金事務入札で電通社員が下請けに圧力 公取委調査で認める
新型コロナウイルス対策の国の給付金の入札をめぐり、大手広告会社の電通の社員が競合相手に協力しないよう下請け企業に圧力をかけたとされる問題で、この社員が公正取引委員会の調査に対し、ノウハウを他社に漏らしたくなかったとして圧力を認める説明をしていることが、関係者への取材でわかりました。公正取引委員会は今週にも調査結果を公表する見通しです。
国が新型コロナウイルス対策として設けた「家賃支援給付金」の事務委託の入札をめぐり、電通の管理職の社員は、取引先の下請け企業に対し、競合する博報堂に協力しないよう圧力をかけたとされ、ことし6月には不適切な発言をしたとして社内の処分を受けました。
この問題について公正取引委員会は、第三者からの情報提供、「申告」が国会議員から行われたことを受けて調査を進めていて、関係者によりますと、この社員は下請け企業への圧力となる発言を認め、国の給付金事業のノウハウを他社に漏らしたくなかったという内容の説明をしたということです。
電通は近年、テレビや新聞の広告による売り上げが減る一方、国や自治体からの受注を伸ばしていて、新型コロナウイルスの感染拡大のあとは「持続化給付金」などの業務を請け負っていました。
公正取引委員会は社員の発言が独占禁止法に違反するかどうか調査を進め、今週にも結果を公表する見通しです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201215/k10012764521000.html
2020年12月15日 6時24分 NHK