YouTubeという現代的なメディアを利用していることもあり、新しい存在として注目を集めている“迷惑系”ーー。しかし実は、こうしたタイプは古代ギリシャにも存在していたのだ!
「紀元前4世紀の古代ギリシャには、ヘロストラトスという“自分の名前を後世に残すがために神殿を燃やした人物”がいます」
こう話すのは、古代ギリシャ研究家の藤村シシンさんだ。ヘロストラトスが燃やしたのは最も美しい建造物と伝えられるアルテミス神殿。彼は“即処刑”となったという。
また古代の迷惑行為をラインナップした「有名言行録(著:ウァレリウス・マクシムス)」という人名録があり、そこにも“迷惑系”が記載されているという!
「パウサニアスという人物が紹介されています。彼は『有名になるにはどうしたらいいか』と考えていたところ、哲学者のヘルモクレスから『有名人を殺せばいい。その名誉が自分に返ってくるから』とのアドバイスをもらいました。
そうして彼はマケドニアの王様を殺してしまったんです。パウサニアスはのちに暗殺されました」
ヘロストラトスやパウサニアスといった古代の“迷惑系”たち。そして釈放後、Twitterに《一日でも早く社会貢献したい》と投稿したへずま氏。藤村さんは新旧の“迷惑系”を比較し、こう結ぶ。
「ヘロストラトスもパウサニアスもすぐに亡くなったので、生前に反省する機会がありませんでした。いっぽうへずまさんは歴史上に残る“迷惑系”とは違い、まだ重罪ではありません。
YouTubeアカウントは凍結されましたが、世間ではへずまさんの話題がいまだ尽きません。つまり、記録抹消刑にもなっていないということです(笑)。
だから、彼が社会貢献を目指すのはとてもいいことだと思います。先人たちと違って、まだイチからやり直せるのではないでしょうか」
https://jisin.jp/domestic/1922233/