「多頭飼育崩壊」という言葉をご存じでしょうか、ペットが増えすぎて飼い切れなくなる状況で、近所とのトラブルになったり、エサ不足で死んでしまったりするケースもあり、鹿児島県内でも問題となっています。
「緊急SOS、凄惨な現場です。恐らくネコたちは飢餓などの何らかの理由で死亡していると思われます」
鹿児島市内の女性がSNSにアップした投稿です。自分が保護して人に譲ったネコが、20数頭まで繁殖したというのです。
中略
今回はネコが増えすぎて飼育を放棄した「多頭飼育崩壊」とみられています。ペットが繁殖を繰り返し、飼育できなくなるほど増えてしまう「多頭飼育崩壊」。
今回のケースの場合、女性はオス猫を1匹譲り受けた後、新たにメス猫を飼い始めたということで、そのネコたちがわずか3年で20匹ほどまで増えたとみられています。
イヌやネコの保護に取り組むNPO法人によりますと、多頭飼育崩壊に関する相談や情報は鹿児島県内でも年に10件ほどあり、年々増えているといいます。多頭飼育崩壊を防ぐためには、避妊・去勢手術が大切だといいます。
(犬猫と共生できる社会を目指す会鹿児島・杉木和子理事長)
「よくネズミ算と聞くが、猫もすごい繁殖能力を持つ。最初の1匹から1年で20、30匹になるのも稀ではない。だから、最初の1匹を(避妊・去勢)手術してあげることが大事」
また、増えすぎて飼いきれなくなってしまった場合は、時間が経てば経つほど状況が悪化するため、できるだけ早く保健所などに相談してほしいと話します。
(犬猫と共生できる社会を目指す会鹿児島・杉木和子理事長)
「そのまま置くのではなく、何かしら行動起こして例えば獣医や行政、ボランティア団体に相談すれば、早い段階で飼育崩壊にならないで済む。最後まで面倒見る覚悟もって引き取ってほしい」
新型コロナの影響で自宅で過ごす時間が増え、ペットがブームになっているといわれる一方で問題化している「多頭飼育崩壊」。
飼い主には生き物の命とどう向き合うのか、責任と覚悟が求められます。
https://www.mbc.co.jp/news/article/2020102800045657.html