日本共産党の機関紙「赤旗」が22日、「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)や「日曜討論」(NHK)などNHKや民放のニュース・情報番組での出演者の発言について、内閣広報室が詳細に書き起こしていたことが判明したと報じた。情報開示請求で記録文書を入手したとしている。
記事は、内閣による報道や情報管理の一端をスクープ記事として示した格好で、ネット上では共産党の支持者らを中心に驚きの声が上がっている。同時に「(週刊)文春と赤旗しかジャーナリズムとして機能していない」などと、新聞やテレビなど報道機関を揶揄するツイートもみられる。
番組出演者の発言を克明に記録 赤旗がスクープ報道
記事は、「官邸のTV監視ここまで 出演者発言・ナレーション・見出し…詳細に 3月前半分 A4で700枚 本紙が記録入手」と題して、赤旗の1面に掲載されている。
一斉休校や休業補償など政府の方針に関する話し合いについて克明に記録されていたほか、閣僚や各党議員らが出席する討論番組は全文が記録されていたという。期間は3月1日~16日分で、開示された文書はA4判700枚に上ったという。
対象の番組は、安倍晋三前政権に批判的なコメンテーターの発言が注目されがちな「羽鳥慎一モーニングショー」などを含む以下の通りだったという。
・「日曜討論」(NHK) ・「ひるおび!」(TBS系)
・「NEWS23」(TBS系)
・「サンデーモーニング」(TBS系)
・「ミヤネ屋」(日本テレビ系)=読売テレビ制作
・「ウェークアップ!ぷらす」(日本テレビ系)=読売テレビ制作
・「スッキリ」(日本テレビ系)
・「とくダネ!」(フジテレビ系)
・「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)
・「報道ステーション」(テレビ朝日系)
・「サンデーステーション」(テレビ朝日系)
“監視”表現には様々な意見も報道姿勢に高まる評価
ネット上では、赤旗が見出しで用いた“監視”の表現には、「動向を窺い知るだけかもしれないし、監視かもしれない。決めつけは良くない」「政府が情報収集するのは普通」など様々な意見が上がっているものの、今回の記事を契機として内閣とメディアの関係について議論が巻き起こっている。
赤旗をめぐっては、今月1日にも「菅首相、学術会議人事に介入 推薦候補を任命せず 安保法批判者ら数人」と題したスクープ記事を掲載。朝日・読売・毎日など新聞やテレビ局も後追い報道し、菅義偉総理による任命拒否問題は政争の具になった。
こうしたことから、ネット上では、同様に政治や芸能でスクープ記事を放ち続ける「週刊文春」と並べて、「日本には週刊文春と赤旗以外の報道機関は存在していないの?」「赤旗へ出向して取材力を鍛えよ」など新聞やテレビを皮肉ったツイートも目立つ。「NHK受信料を払わずに赤旗に切り替えたい」という書き込みもあった。
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