新型コロナウイルスの影響で、来年2月に予定している岩手県奥州市の黒石寺蘇民祭は、参列を檀家(だんか)らに限定した祈禱(きとう)のみ行い、男たちによる蘇民袋の争奪戦や、火のついたまきに上がる「柴燈木登(ひたきのぼり)」など一連の行事は中止される。
五穀豊穣(ほうじょう)や災厄消除などを祈願する黒石寺蘇民祭は旧暦正月7日から8日に行われる。約千年の歴史があるといい、県内だけでなく全国から参加者がある。夜10時ごろの水垢離(みずごり)から境内を巡る裸参り、火の入った木組みに登る柴燈木登、翌日未明の蘇民袋争奪戦へと続く。来年は2月18~19日の予定だった。
同祭保存協力会の8日の総会では「(縮小など)何らかの形でできないか」という声も一部からあったという。13日、奥州市長に報告した黒石寺の藤波大吾住職(37)は事実上の「中止」とした理由を、100人以上の参加者がある祭りは「どうしても『密』になる」と、感染のおそれを排除できないためとした。
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