恒例行事の富士登山で行われる「パワハラ地獄絵図」
若手への厳しい〝洗礼 を象徴するのが毎年夏に行われる「電通富士登山」だ。
1925年から始まる伝統行事で、電通とグループ会社の全新入社員のほか、新任の局長や役員も参加する。
富士登山では何があったか。
藤沢 部署ごとに社員が登頂順位を競い合い、一定の順位内に入れない者には罰ゲームが待っている。
風雨の中、泥だらけになって登っていく風景は、さながら地獄絵図のように感じた。
私が所属した部署ではトップ10に入らなければ「坊主頭」。
前日の壮行会でお酒を飲まされたので、吐きながら走って登った。
今なら明らかにパワハラになるだろう。
私はなんとか9位に入ったが、そうでなかったら憎しみしか残らなかったと思う。
こうやって心と体を磨くという理念を「電通の文化」という形で押し付ける。殴る蹴るで育てられた人が、また下を殴る蹴るで育てる。