第2次安倍政権の“親衛隊”とされたメディア人が、NHK政治部記者兼解説委員を務める岩田明子氏、産経新聞論説委員兼政治部編集委員の阿比留瑠比氏、テレビコメンテーターの田崎史郎氏の3人だ。
8月28日の辞任表明に関しては、岩田氏がNHKで他メディアに先駆けていち早くすっぱ抜くと、田崎氏は、首相会見前に辞任の可能性について「五分五分」とコメントしていたことについて、後日「7割8割以上の確信がないと5割って言えない」と得意気に解説してみせた。
一方、産経新聞の阿比留氏は、首相の辞任表明後、〈一つの幸福な時代が、終わりを告げた喪失感は否めない〉(29日付産経新聞)と複雑な心情を吐露している。
余計なお世話かもしれないが、担ぐ“神輿”をなくした彼らの身の振り方はどうなるのか。政治ジャーナリストの藤本順一氏はこう推測する。
「岩田さんは大学時代、行政機構研究会で勉強してきたため、行政を深く理解していて、政策にも明るい。だからこそ岩田さんは、安倍さん最大のブレーンとなったのです。政府の『日本の美』総合プロジェクト懇談会は彼女の発案で始まり、人選もしたと聞く。組閣に口を出していたという話もあります。
安倍さんとの関係のみが注目されがちですが、政治記者として圧倒的に優秀ですし、安倍路線を謳っている菅さんも好き嫌いはともかく彼女を重用し、官邸発のスクープを連発するでしょう」(藤本氏)
阿比留氏はどうか。藤本氏が言う。
「右派論客のなかで“安倍擁護”の立場を確立してくれた阿比留さんの存在は、安倍さんにとっては心の安らぎになっている。もし今後産経を退職すれば、安倍さんが面倒を見るのでは。自民党の派閥トップと番記者は昔からそういう関係。退職したら政府系の公益法人やシンクタンクに“天下り”する道も考えられる」
テレビ界の“安倍応援団”田崎氏の行く末も気になるところだが……。
「田崎さんはテレビでキャラを確立したから、安倍さんが辞めてもタレントとしての価値は残る。安倍さんと寿司に行ったことで『田崎スシロー』と呼ばれたように、テレビ的にはいじられキャラでウケればいい。官邸とのパイプが細っても、これからも〝政府の代弁者キャラ〟としての役割を担うのではないか」(藤本氏)
アベと共に去りぬ、とはならないようだ。
https://www.news-postseven.com/archives/20200910_1593516.html