28日に突然表明された安倍晋三首相の辞意。
森友・加計学園や桜を見る会、高検検事長の定年延長などの問題を追及してきた関係者らは、次の政権による真相解明に期待を寄せた。一方、辞任による問題の風化を懸念する声も上がった。
森友学園への国有地値引きや公文書改ざん問題では、財務省幹部らが不起訴処分とされた。刑事告発した上脇博之・神戸学院大教授は「これまでやったことへの説明責任は辞めても残る。桜を見る会は本人の問題で、安倍さんしか説明できない」と指摘。一連の問題について、「官僚は忖度(そんたく)してなかなか言えなかったが、辞めたことで重しがなくなる。真相解明が進むことを期待している」と話した。
改ざん問題では近畿財務局職員赤木俊夫さん=当時(54)=が自殺した。妻雅子さん(49)は「一日も早く回復するよう祈ります」と首相の体調不良を気遣った上で、後任首相に「夫がなぜ自死に追い込まれたのか、有識者の第三者委員会を立ち上げ、公正中立な調査を実施してほしい」と要望。自ら原告となった訴訟についても、真相究明につながる対応を求めた。
一方、森友問題を追及してきた木村真・大阪府豊中市議は、首相を支えてきた菅義偉官房長官や麻生太郎副総理が後任となった場合、「過去の問題として片付けられ、真相究明が困難になっていくのではと心配している」と懸念を示した。
加計学園の獣医学部新設をめぐる疑惑についても、市民団体「今治加計獣医学部問題を考える会」の黒川敦彦共同代表は「総理を辞めることで問題が風化していくことを危惧している。そうならないように活動していきたい」と語った。
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