大阪府は11日、新型コロナウイルスの軽症患者らの宿泊療養施設となっている大阪市住之江区のホテルで療養中の50代の男性患者が、警備員らの説得を無視して同日朝に外出したと発表した。このホテルでは8月3日と7日にも別の患者がそれぞれ無断外出していたが、説得に応じず外出を強行したのは初めてという。
府によると、男性は8日に入所。翌9日に「家を探すから外出させろ」などと要望し、10日には禁止されている宅配ピザを注文。他の療養者にも絡むなど、度々トラブルを起こしていたという。
11日はフロントに「もう出る」と一方的に連絡し、午前9時半ごろ荷物を持って外出したところを警備員が発見。ホテルにいた市職員や看護師らも加わって計7人で外出禁止の理由などを男性に説明したが、男性は無視してホテルの敷地外に出た。市職員が追跡したが見失ったという。
男性はタクシーでピザ店や郵便局、コンビニエンスストアに立ち寄った後、自ら「どうすればいいか」と電話で連絡をしてきて、市職員の説得に応じて同11時ごろにホテルに戻った。外出中はマスクを着用し、府は濃厚接触者はいないとしている。
このホテルでは無断外出が連続したことを受け、当初は夜間に1人しかいなかった警備員を24時間体制で2人配置するなど警戒を強化していた。ただ、府の担当者は「接触すると感染するリスクのある患者を引き留めるのは難しい。療養の意味を理解してもらえるよう粘り強く説明していきたい」としている。
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