中国北部・内モンゴル自治区ボグト市の村で腺ペストに感染した住民1人が死亡し、市当局がこの村を封鎖した。
市保健当局によると、この患者は循環器不全で亡くなった。2日に死亡の届け出があり、腺ペストに感染していたことが6日に確認された。感染経路は公表されていない。
当局は患者が住んでいた村を封鎖し、住民らに毎日自宅を消毒するよう指示した。濃厚接触者9人と非濃厚接触者26人が隔離されたが、このグループを含む村の住民全員が検査を受け、陰性反応を示したという。
この村がある地区全体に対し、今年末を期限とする感染症予防の警報が出された。
当局はさらに、感染源となる恐れがある野生動物の狩猟や食用を避けるよう呼び掛けた。
中国で今年確認された腺ペストの感染者は2人目。1人目は先月、内モンゴル自治区バヤンノール市で見つかったが回復している。当局はこの時も同様の警報を発令し、複数の観光名所を閉鎖していた。
腺ペストはペスト菌による3種類の感染症のひとつ。中世の欧州で恐れられていた「黒死病」の正体とされる。リンパ腺がはれて痛み、発熱や寒気、せきなどの症状が出る。
ペストは現在、抗生物質で治療できるようになったものの撲滅には至らず、世界保健機関(WHO)によると毎年1000~2000人の感染者が報告されている。
中国では2009~19年に31人が感染し、このうち12人が死亡したとのデータが発表されている。
https://www.cnn.co.jp/world/35157915.html