どんな人間でも、悪をなすか、善をなすかは状況次第なのかも……なんて考えさせられるニュースだ。
米地方テレビ局KCRA(7月29日付電子版)などによると、ジョージア州のグイネット郡保安官事務所が管理する刑務所で7月28日、刑務官として所内を巡回していた保安官代理のウォーレン・ホッブズさんが、監視デスクに座るとすぐに意識を失い、床に崩れ落ちた。
ウォーレンさんは頭部を強打し、裂傷を負って大量出血。その様子を施錠された監房から見ていた受刑者たちはドアをガンガン叩き、大声でウォーレンさんの名前を繰り返し叫んだ。
ウォーレンさんは一瞬、意識を取り戻し、混濁する意識の中で「受刑者が助けを求めている!」と勘違いし、コントロールパネルの監房解錠ボタンを押して、再び意識を失った。
ミッチェル・スモールズ、ウォルター・ホワイトヘッド、テリー・ラブレスの3人の受刑者が監房から飛び出し、ウォーレンさんが持っていた無線機とデスクにあった電話で救助を求めた。
すぐに救急隊員がやってきて、ウォーレンさんを病院に搬送。ウォーレンさんは一命をとりとめ、現在、自宅療養中だという。
保安官事務所は3人の受刑者の写真とともに、事情を説明した記事をフェイスブックに投稿。3人をたたえ、感謝する言葉を記した。
3人がどんな罪を犯して服役しているかは明らかにされていない。彼らが、とっさにウォーレンさんを助けたのは、日ごろ、彼が受刑者に善意を持って公正に接していたことも一因のようだ。
スモールズ受刑者はこう語った。
「あの時、ホッブズさんのことを保安官代理と思っていませんでした。1人の人間が倒れ、助けを必要としていただけだった」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/276779
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