「物乞いを収容せよ」金正恩命令に国民から疑問の声
デイリーNKの内部情報筋によると、金正恩氏の「心配のお言葉」は次のようなものだ。
「世界的な観光国家に跳躍しようとする党の意図に反して、全国に老人流浪物乞い者が増えたのは、孝行を第一の美風良俗と考える朝鮮式社会主義の民族的なあるべき姿に反する非道徳的な現象で、外国人や世界の進歩的人民に社会主義のイメージを乱す重大な対外的権威毀損問題だ」
一言でまとめると「物乞いをする人が外国人の目に触れては見栄えが悪い、沽券に関わる」ということだ。ちなみに、「障碍者が革命の首都平壌にいると、外国人に不快な印象を与える」として、平壌から追放させたのは彼の父・金正日総書記だった。
「お言葉」を受けて中央党(朝鮮労働党中央委員会)の宣伝扇動部は、道党(朝鮮労働党の各道の委員会)や人民委員会(道庁)、司法機関(警察など)に、60歳以上で家もなくさまよっている老人を、国の施設である養老院に収容するための組織的な作業を行えとの指示を下した。また、養老院の施設を補完、整備し、食事、生活、医療の環境を綿密に調査し、補完事業を行えと指示した。
さらに、各道の党委員長に対して「自分の親を面倒見るように、いなくなった自分の親を探すように」事業に励めと注文をつけ、ノルマの達成状況を報告させ、各道で競わせるとした。
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高英起 2020年06月01日 12:15