「この文書で明らかになった政府によるメディアチェックは、安倍政権以前からやっていたことでしょう。しかし、これまでの政府がその内容を基に、露骨にメディア批判をしたというケースは思い当たらない。報道内容が明らかに事実誤認しているケースならば、その訂正という形で反論することは可能ですが、政策に対する解釈、論評に政府が異論を唱えるのは、言論に圧力をかける一方的な行為です。
メディアチェックの資料を、世論に自らがどう評価されているのかを顧みるために使っているのではなく、抵抗・反発するメディアを攻撃するための道具に使ったことになる。それも予算をかけて組織的にやっているということになります」
安倍官邸の戦う相手は、コロナではなかったのか。
※週刊ポスト2020年6月5日号
(了)