報告書には、出演したコメンテーターの名前や発したコメントが記載されている。「政府の公表情報の真偽」「クルーズ船対応」などの項目もあり、コロナ禍で各番組に登場していた白鴎大学教授の岡田晴恵氏、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の内情を告発した神戸大教授の岩田健太郎氏といった政府対応に批判的だったコメンテーターの記録が目立つ。
なかでも目を引くのが「モーニングショー」で、内閣官房の公式ツイッターが反論していた番組内容についても、玉川氏の〈新しい法律じゃないと適用できないため、ここまで適用できなかったという話であれば、スッと通る。そのために、わざわざ改正しようとしているのではないかという見方がある〉といったコメントが詳細に記されていた。
情報収集のためにただ内容をチェックしただけという名目なのだろうが、922枚もの文書を目の当たりにすると、コロナ対応に追われるなかで続けられた官邸によるテレビ報道の“監視”が、異例の特定番組への反論につながったようにも見える。田島泰彦・元上智大教授(メディア法)は、こう指摘する。