ドナルド・トランプ米大統領は6日、新型コロナウイルスの世界的流行(パンデミック)をアメリカに対する「最悪の攻撃」だと述べ、批判の矛先を中国に向けた。
トランプ氏はパンデミックについて、第2次世界大戦時の日本による真珠湾攻撃や、2001年9月11日の同時多発攻撃よりも被害が大きいと述べた。
米政府は、中国の新型ウイルス流行初期の対応をめぐり、同国に対する懲罰的な措置を検討している。
これに対し中国は、アメリカが自国のパンデミック対策から世間の気をそらそうとしていると主張している。
新型ウイルスは昨年末に中国で発生。アメリカではこれまでに120万人以上の感染が確認され、7万3000人近くが亡くなっている。同国の人口は約3億3000万人。
■「中国で止められたはず」
トランプ氏はこの日、ホワイトハウスの執務室で記者団に対し、「我々はこの国に降りかかったひどい攻撃を経験してきたが、今回は過去最悪だ」と述べた。
そして、「真珠湾攻撃よりも、世界貿易センターよりもひどい。こんな攻撃はこれまでなかった」、「これは起こるべきではなかった。発生源で止められたはずだった。中国で止められたはずだった。発生源で止めるべきだった。だがそうならなかった」と続けた。
その後、パンデミックを実際の戦争行為と見なすのかと記者から問われると、トランプ氏はアメリカの敵はパンデミックであり、中国ではないと述べた。
「見えない敵(新型ウイルス)を戦争と見なしている」とトランプ氏は説明。「ここに到達した経緯が気に食わない。止められたはずだからだ。だが、見えない敵を戦争と見なしている」とした。
アメリカと中国の深まる亀裂は、その後の米政府のブリーフィングでも強調された。
ケイリー・マケナニー大統領報道官は記者団に、「現時点では落胆といら立ちの関係にある。中国のいくつかの決定がアメリカ国民の生命を危うくしていることについて、大統領はどれほどいら立っているか表明しているからだ」と述べた。
■国務長官も中国を非難
マイク・ポンペオ国務長官もこの日、中国は流行発生を隠したとして、改めて同国を批判した。
新型ウイルスは中国の研究所で発生したとの説は多方面から否定されているが、ポンペオ氏は「膨大な証拠」があると述べ、この説に固執した。一方で、新型ウイルスの起源についてはまだ不確定な面があると認めた。
ポンペオ氏はBBCに、「それらの声明はどちらも本当だ」、「確実ではないが、研究所から発生した重大な証拠がある」と述べた。
これに対し中国国営メディアは、ポンペオ氏がうそをついていると非難した。
米政府の新型ウイルス対策を主導しているアンソニー・ファウチ博士は、証拠をもとに、新型ウイルスは研究室で発生したのではないとしている。
ファウチ氏は4日、新型ウイルスは「自然界で進化し、生物の種を飛び越えた」との見方を示した。
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