日本製鉄、君津の高炉1基の一時休止発表 5月中旬以降に
日本製鉄は21日、東日本製鉄所君津地区(千葉県君津市)の高炉1基を5月中旬以降に一時休止すると発表した。新型コロナウイルスの影響により、建設大手による工事中断の発表が続く中、建設用鋼材が主力の君津地区での対応が必要と判断した。コロナ対応では他の高炉2基の一時休止も決めており、一連の対応で生産量は一時的に約2割落ち込む見込みだ。
建設用鋼材が主力の君津地区でも対応に踏み切る(写真は第4高炉)
東日本製鉄所君津地区に高炉は2基あるが、日鉄は「第2高炉」の1基を一時休止する。再稼働が可能な状態で高炉を止める「バンキング」という手法で対応する。
同社は15日に東日本製鉄所鹿島地区(茨城県鹿嶋市)の「第1高炉」を一時休止した。さらに関西製鉄所和歌山地区(和歌山市)の「第1高炉」も4月下旬以降に一時休止する予定だ。君津地区の高炉1基と合わせて、コロナ対応により一時休止する高炉は計3基となる。
それぞれの再稼働の時期は現時点で未定。日鉄の2018年度の粗鋼生産量は約4400万トンだった。一時休止の対象となる3基で全体の約2割を占めている。同社はコロナの感染拡大を受け、各事業所で従業員を一時的に休職させる「一時帰休」も4月から実施。ただ、需要減少の終わりが見通せない中、さらに対応を迫られる可能性もある。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58295310R20C20A4TJC000/
2020/4/21 11:38 日本経済新聞