若者が感染拡大のもと?「根拠はないが、説明つかない」
新型コロナウイルスの感染が国内で広がっていることを受け、政府の専門家会議(座長=脇田隆字・国立感染症研究所長)は2日、10~30代の若者が感染を拡大させている可能性があるとして、ライブハウスやクラブなど人が集まる風通しが悪い場所を避けるよう求めた。北海道での感染拡大や大阪市のライブハウスでの小規模な患者集団(クラスター)の発生をふまえた。だが、若者やアーティストらは揺れている。
専門家会議は、若者は感染しても症状が軽い人が多く、感染に気づかないまま、重症化しやすい高齢者らに感染させている可能性があるとの見解を示した。
北海道を訪れた後に感染が確認された人の数から推計すると、道内の実際の感染者は報告されている77人の10倍ほどいる可能性があるという。感染者の2割が10~30代だが、専門家会議の押谷仁・東北大学教授は記者会見で、「若年層で感染が大きく広がっているエビデンス(根拠)はないが、そうでないと説明がつかない」と話した。
都市部の感染リスクの高い場所に集まった若者の間で感染が広がり、症状の軽いまま道内の別の地域に移動して全域に感染が拡大したと分析する。
これまでの国内の感染者の分析によると、8割は他の人にうつしていないという。だが、ライブハウスやスポーツジム、雀荘(じゃんそう)、ビュッフェ形式の会食など屋内の閉鎖的な空間で一定時間を近い距離で過ごした場合にクラスターが発生する可能性があるとした。
感染経路についても、これまで言われてきた、感染者のせきやくしゃみのしぶきを吸い込む飛沫(ひまつ)感染やウイルスがついた手で口や鼻を触る接触感染だけではないと説明した。感染者が近くでせきやくしゃみをしなくても、風通しの悪い場所ではウイルスが漂って感染が起きている可能性があるとした。
https://www.asahi.com/articles/ASN327HCQN32ULBJ00S.html
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2020年3月3日 4時50分
> ウイルスが漂って感染が起きている
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