カジノを中核とした日本の統合型リゾート(IR)を巡る汚職事件で、東京地裁は10日、収賄罪で起訴された秋元司・衆院議員(48)の保釈を認める決定をした。保釈保証金は3000万円。東京地検特捜部が手がけた政界事件で、起訴事実を否認する被告に対し、起訴直後に保釈を認める決定が出たのは異例。検察側は決定を不服として準抗告した。
起訴状などによると、秋元被告は内閣府のIR担当副大臣だった2017年9月28日、日本でIR参入を計画していた中国企業「500.com」側から現金300万円を受領。このほか、シンポジウムでの講演料名目で200万円の提供を受けたり、中国・深センしんせんなどへの視察旅行の費用計約185万円相当を負担させたりしたなどとして、総額約760万円相当の賄賂を「500」社側から受け取ったとしている。
秋元被告は昨年12月25日に収賄容疑で逮捕され、東京・小菅の東京拘置所に勾留された。起訴や再逮捕を経て今月3日に追起訴され、弁護人が同日、保釈を同地裁に申請していた。弁護人によると、秋元被告は起訴事実をいずれも否認。秋元被告は逮捕直後に自民党を離党したが、保釈されれば開会中の通常国会に登院する意向を示していたという。
事件では、「500」社の日本法人元役員・鄭希(37)と「500」社元顧問・紺野昌彦(48)の両被告(いずれも贈賄罪などで起訴)が既に保釈されている。両被告は起訴事実を認めている。
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