「その話は事実ですよ。電通社内では菅野さんの名前は伏せられていますけど、彼が部下に対するパワハラで懲戒処分を受けたのは間違いありません。彼は、開閉会式プロジェクトで“色んなこと”を私物化していて、いつか刺されるとは思っていました。こうした動きがあったからか、最近は派手に動かないようにしているようですけど」
電通はオリパラを“私物化”し、菅野氏は虎の威を借るキツネだったということになる。
電通に広報を通じて聞くと、
「当社グループ社員に対する行き過ぎた言動があり、被害を受けた社員から相談があり、厳正な処分を行ったのは事実です。当社は今般の事態を厳粛に受け止めております。関係者の方々にご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。当社は引き続き労働環境改革に注力してまいります。組織委員会へ報告の上、(菅野氏は現在、)クリエーティブ・ディレクターとしての活動を自粛しております」
と、全面的に事実を認めた。一方、五輪組織委員会にも菅野が総合演出の立場にとどまったままでいることなどについて質問をしたが、期限までに回答は得られなかった。
ザハによる国立デザイン、エンブレム問題と何かとケチのつく東京オリパラにまた新たな火種が……。
週刊新潮WEB取材班
2020年1月7日号 掲載
(了)