トルコの憲法裁判所は26日、オンライン百科事典「ウィキペディア」へのアクセスを政府が遮断したのは憲法違反との判断を示した。
憲法裁は10対6の多数決で、アクセス遮断は表現の自由の侵害に当たるとし、解除を命じた。
政府はこれに従うとみられる。
トルコ政府は2017年、「イスラム国(IS)」などシリアで聖戦を唱えるイスラム系武装勢力にトルコが協力していると思わせる内容が書かれているとして、ウィキペディアを閲覧できないようにした。
同国はたびたび、政府に批判的なウェブサイトへのアクセスを一時的に遮断している。
財団は判決を歓迎
ウィキペディアを創設したジミー・ウェールズ氏は、ツイッターに「おかえり、トルコ!」と投稿し、判決を祝った
トルコ政府によるアクセス禁止に対しては、ウィキペディアを運営するウィキメディア財団が5月、表現の自由に関する権利を侵害しているとして欧州人権裁判所(ECHR)に提訴している。
同財団によると、ECHRはトルコ政府に対する提訴を優先的に扱っており、来月にも答弁書を提出することになっているという。
「知識への自由なアクセス」
憲法裁の判断についてウィキメディア財団は、「知識と対話の力を信じる私たちにとって、今日はよい日だ」とコメント。
「今回の結果に勇気づけられている。誰もが知識に自由にアクセスできる世界へ向け、活動を続けていく」とした。
BBCのダニー・エバーハード欧州地域編集長は、この日の判決は同財団にとって大きな勝利を意味すると解説した。
「国境なき記者団」が発表しているメディアの自由度ランキングでは、トルコは180カ国中157位とされている。
ウィキペディアのアクセス遮断は違憲 トルコ憲法裁 - BBCニュース
https://www.bbc.com/japanese/50921897