オランダは英語でthe Netherlandsなのか? Hollandなのか?
オランダは「the Netherlands(またはKingdom of the Netherlands)」であり、オランダ人やオランダ語は「Dutch」であり、観光ガイドブックやサッカーの国際試合では「Holland」と呼ばれることが多い。この国の呼び名は、他国に比べるとなんともややこしいのだ。
結局どう呼んだらいいのか──そんな長年の疑問に対して、2018年、オランダ政府がついに意思を固めた。中央省庁や観光局、財界リーダーたちが議論した国のブランディング戦略の一環として、「the Netherlands」が正式な名称になることが決まったのだ。
政府は2020年から本格的にHollandという書き方をやめ、the Netherlandsとしてグローバルなイメージを固めていくという。英紙「ガーディアン」によれば、2020年の東京五輪や欧州の音楽コンテスト「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」でも、この名称が正式なものとなる。
そもそも、Hollandとはオランダ西部の州の名前で、アムステルダムを含む北ホラント州と、ロッテルダムを含む南ホラント州がある。10~16世紀にはホーランドとして南北は統一されていた。
官僚たちは、自由なドラッグ文化やアムステルダムの飾り窓といった外国からのイメージを遠ざけたいと願っている。外務省の広報担当者は、オランダには統一されたイメージが必要だとし、「オランダがオープンで、独創的で、包括的な国ということを世界に広めたいのです」と語る。
オランダの2018年の年間外国人訪問数は1800万人だったが、2030年には4200万人に達すると見込まれている。とはいえオランダは、同時に観光客を制限するための取り組みもしているのだ。名前が統一されても、「掴みどころのない国」というイメージはしばらく続きそうだ。
https://courrier.jp/news/archives/184920/