東京電力福島第一原発で進む1、2号機建屋脇の排気筒(高さ百十メートル強)の解体で二十七日、四ブロック目の輪切り作業中、切断装置の回転のこぎりの刃が筒本体の切れ目に挟まり、外れなくなった。二十九日午前四時前には装置の燃料が切れる見込みで、別のクレーンで作業員が装置に上がって、燃料を補給する可能性が高まっている。
東電によると、二十七日昼ごろ、筒本体を内側から切断する四台の回転のこぎりのうち、一台の刃が切れ込みから外れなくなった。
切断装置はクレーンでつり上げて筒上部に設置しており、筒の輪切りは既に八割ほどまで進んでいる。
八月に始まった解体作業では筒自体の重みで刃が回りにくくなる現象が何度も起き、ミシン目に切る方法に変更。しかし、トラブルは回避できなかった。クレーンのつる力を変えたりして刃を抜こうとしているが、うまくいっていない。強風も作業のハードルとなっている。
八月末にも装置の燃料切れがあり、別のクレーンで作業員三人が乗った鉄製のかごをつり上げ、装置上に移って燃料補給した。
刃が抜けない状況が続けば、燃料補給時と同じように作業員が切断装置に乗り移り、人力で筒本体を切ることも想定されている。いずれにしても、作業員が被ばくするリスクにさらされる。
東京新聞:福島第一の排気筒切断装置 刃が挟まり作業中断:社会(TOKYO Web)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201911/CK2019112802000263.html