パナソニックは、赤字が続いていた半導体事業から撤退することを決めました。アメリカと中国の貿易摩擦などを背景に半導体の販売がふるわず、決断を迫られた形です。
発表によりますと、パナソニックは半導体の製造や販売などを手がける子会社、「パナソニックセミコンダクターソリューションズ」など半導体事業を台湾の半導体メーカー、ヌヴォトン・テクノロジーに売却することを28日の取締役会で決めたということです。
富山県でイスラエルの企業と合弁で行っている半導体事業も同じ台湾のメーカーに売却することになります。
売却額は2億5000万ドル、日本円でおよそ270億円で、来年6月に契約を完了する予定です。
パナソニックは1952年にオランダのフィリップス社と合弁で半導体事業に参入し、1990年前後には半導体の売り上げで世界有数の規模を誇りました。
しかし、韓国や台湾の企業の急成長にともない、業績は低迷し、最近は赤字経営が続いていました。
さらに米中の貿易摩擦などを背景に中国向けの自動車用の半導体で販売がふるわず、ことし3月期の半導体子会社の営業利益は235億円の赤字でした。
こうした業績悪化によって決断を迫られた形です。
パナソニックは先週、液晶パネルの生産を終了するとを決めるなど赤字事業からの撤退を加速させています。
売却先の台湾半導体メーカーも発表
パナソニックが半導体の製造などを手がける子会社の株式を台湾企業に売却する方針を決めたことについて、売却先の台湾の半導体メーカー、ヌヴォトン・テクノロジーは28日会見を開き、パナソニック側との間で株式の譲渡契約を結んだことを明らかにしました。
買収を決めた理由については、製品の多様化や、日本を含む海外で新たな顧客開拓が図れるほか、高い研究開発技術とその人材を得られるなどとしています。
譲渡の時期は来年6月の予定で、リストラを行う計画はないとしています。
台湾北部の新竹に本社を置くヌヴォトン・テクノロジーは、電子機器を制御する半導体の研究開発や受託生産などを担っている会社で、2010年に台湾の証券取引所に上場しています。
続きはソースで
パナソニック 半導体事業から撤退・売却へ | NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191128/k10012194181000.html