■「割り込まれる感覚」
宮崎県に住む40代の男性投資家も最近起きている注文の先回りに憤る1人だ。「まるで、人気店の前で並んでいたら突然割り込まれるような感覚だ。アルゴリズムを使いこなす一部の投資家が利益を得て、大多数の投資家は損をしている。株式市場はどんな投資家にも公平であるべきだと思っていたが、そうなっていない」
こうした不満を抱える個人投資家に共通するのは、SBI証券の利用者だということだ。
SBI証券は「SOR(スマート・オーダー・ルーティング)」と呼ぶ、複数の市場で最良の値段(買いなら最も安く、売りなら最も高い値段)をつけている市場をコンピューターが自動的に判定し、その市場に発注するシステムを導入している。具体的には、東京証券取引所と、SBIホールディングス傘下の私設取引システム(PTS)である「ジャパンネクストPTS」の価格を比べ、最適な市場を選んでいる。
https://www.nikkei.com/news/image-article/?R_FLG=0&ad=DSXMZO5215670014112019I00001&dc=1&ng=DGXMZO52202780V11C19A1000000&z=20191118
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