東京都足立区は一日、四十歳以上の区民を対象にした昨年度の大腸がん検診で、精密検査が必要な「陽性」だった受診者百七人に、異常がない「陰性」と誤って記載した受診票を渡していたと発表した。
今井伸幸衛生部長らは記者会見で「本人や家族に大変な心配と迷惑をかけた」と陳謝。区は百七人への連絡を進めており、本人に謝罪して精密検査の受診を勧めている。現時点で、誤記載が原因で精密検査を受けずにがんが進行した事例は把握していないという。
区によると昨年度の大腸がん検診は二百二十七医療機関で四万六千七百四十七人が受診。このうち六十機関の医師が計百七人について検査会社から通知された検便の検診結果を受診票に転記する際、「陽性」を「陰性」と転記ミスしていた。
区によると、昨年度は検査会社が代わり書式も変更されたため、ミスを誘発した可能性が一部で指摘されており、医療機関のダブルチェックも不十分だったという。区は同様のミスがないか過去にさかのぼって調査するとともに、再発防止に向け有識者を入れた調査委員会も立ち上げる。
区が今年十月下旬、陽性なのに精密検査を受けていない人へ連絡し、区民から「医師から陰性と言われている」と問い合わせがあり、転記ミスが判明した。
東京新聞:足立区、がん検診結果誤通知 「要精密検査」107人に「陰性」:社会(TOKYO Web)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201911/CK2019110202000166.html