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2020年度から採用される「大学入学共通テスト」問題に絡み、萩生田文科相のフジテレビ系列Prime Newsでの発言が話題となっています。
これでは「受験生の経済的負担などが少なく、誰もが年に1度しか受けられないセンター試験のままでいいのでは」という気がしてなりません。詳細は以下から。
◆「大学入学共通テスト」問題って何?
この問題は以前BUZZAP!でも柴山前文科相の発言に絡んで取り上げましたが、今回の論点は「英語試験のアウトソーシング化」について。
これは大学入学共通テストに英検やTOEFL、ケンブリッジ英検といった民間の資格・検定試験を活用する政策で、2020~23年度は「共通テスト」と民間試験の両方が用意され、各大学でいずれかまたは双方を利用できるというもの。
ですがこれらの民間試験は成り立ちも傾向も難易度も評価方法も大きく違うため、各々の試験の成績を一律評価することは極めて困難であることが既に大きな批判に。
加えて民間試験の受験料は1回5800円~2万5380円と高額な上に、試験会場が都市部に偏っているため、裕福でない家庭や遠隔地在住の生徒らにとっては時間、交通費、宿泊費などが大きな負担としてのしかかり、大きな不公平が生じるとの批判も噴出していました。
◆萩生田文科相の回答の何が問題か
この後者の問題について番組の中で司会者が以下のように質問。
> 民間の資格試験を使うということはですね、お金や地理的な条件に恵まれてる人が受ける回数が増えるのか、それによる不公平・公平性はどうなんだと、ここの部分はいかがですか?
これに対して萩生田大臣は以下のように応じています。一部を切り取っての批判は不公平なため、該当する発言を可能な限り全体として取り上げます。
> あのー、そういう議論もね、正直あります。ありますけれど、じゃあそれ言ったら、『あいつ予備校通っててずるいよな』って言うのと同じだと思うんですよね。
>
> だから裕福な家庭が回数受けて、ウォーミングアップできるみたいなことは、もしかしたらあるかもしれないけれど、そこは自分の、あのー、私は身の丈に合わせて、2回を選んできちんと勝負して頑張ってもらえば、あのー、できるだけ近くに会場を作れるように、まあ、業者や団体の皆さんにお願いしてます。
>
> あんまり遠くまでね、だけど、人生の内自分の志で1回や2回は故郷から出てね、試験受けるとかそういう緊張感も大事かなと思うんで、あのその辺できるだけ負担が無いように、色々知恵出していきたいと思ってます。あの離島なんかは既に予算招致しましたんで、はい。
まず大切なのは、萩生田文科相が質問にあった受験生どおしの不公平さ、公平性さを認識しているということ。その上での回答だったということです。
萩生田文科相の大きな間違いは大学入試に必須な英語の試験とあくまで勉強のオプションである予備校通いを同じだと思っている事。このふたつを同列に並べることはできません。
その上で、裕福な家庭が回数受けてウォーミングアップすることを認めた上で、「お金や地理的な条件」に恵まれていない貧困層や地方在住者は「身の丈に合わせて」勝負すればいいとしています。
(続く)