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農林水産省は四日、群馬県の検査で豚コレラに感染した疑いがあるとされていた野生イノシシ二頭について、国の検査で陽性と確定したと発表した。今後、有識者の意見も踏まえた上で、豚コレラ対策として豚へのワクチン接種を実施する「推奨地域」に群馬県も加える方針。これまで飼育豚や野生イノシシでの感染が確認されていた岐阜や愛知などと合わせて計十県に拡大する。
群馬県での野生イノシシへの感染は初めて。豚への感染は確認されていないが、群馬は豚の飼育頭数が約六十三万頭(今年二月時点)と全国四位の生産県で、イノシシからウイルスが媒介されて感染が広がれば大きな影響が懸念される。養豚場へのイノシシの侵入防止など徹底した対策が課題となる。
農水省や群馬県によると、同県藤岡市と上野村で捕獲された野生イノシシ計二頭から県の検査で陽性反応があり、国の検査でも陽性とされ感染が確定した。群馬県はイノシシの捕獲地点からそれぞれ半径十キロ圏内にある計十三養豚場を監視対象農場に指定し、豚への感染の有無などを確認する立ち入り検査に着手した。
農水省は先月二十七日、ワクチン接種実施に向けた防疫指針の改定案を有識者会議に提示し、接種対象を岐阜や愛知など九県にすることを確認。発生県に隣接する群馬や千葉などでは当面、ワクチン接種はしないと決めたばかりだった。しかし隣接県にもイノシシでの感染が広がったことで、わずか一週間で対象拡大を強いられる形となった。
東京新聞:ワクチン推奨、群馬県も イノシシ2頭 豚コレラ確定:社会(TOKYO Web)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201910/CK2019100502000170.html