「バレたら金返せばいい」身勝手ルール/政界地獄耳
★2度目の総務相となった高市早苗は、自身が代表を務める自民党支部が17年の衆院選期間中、政府と取引関係のあった企業からの献金について「公職選挙法への抵触は全くない」と説明。ただ対象の献金は全額返金したと明らかにした。全くないならば返還の必要がないが、そもそも選挙制度や政治資金規正法を所管する総務相がその対応ならば、本来なら総務相を再度務めるなど恥ずかしくてできない。即刻辞任がふさわしいし、過去に同様の醜態をさらした議員たちは退場していった。最近の自民党議員には受け取ったが返せばいいという、世間では通用しない身勝手なルールが横行する。
★まして党の顧問弁護士が「そう言うから」は通用しない。献金を受け取った時に取引があったか知らなかったとしても、公選法はそれを禁じている。つまり違反なのは間違いないのだ。襟を正すべき「所管」大臣が、バレなければそのまま、バレたらカネを返せばいいという理屈を展開している限り、このやり方は後を絶たない。所管外と答弁しない大臣がいるかと思えば、所管内にもまともに答えられないことを堂々と言いだす総務相の倫理観を問うべきだ。
★最近も自民党参院議員・石井浩郎がデリバティブ(金融派生商品)取引で、預かるべき証拠金の不足を利益供与されていたが、石井は「認識が甘く勉強不足だった」とコメントを発表しただけ。コンプライアンスが厳しいこのご時世に勉強不足でしたで済む話だろうか。政治家の理屈は社会では通用しない。政治家だけが特権的に自分に都合のいいルールを自分で決めているだけ。ピッチャーが審判を兼務するなら永遠に負けない。官房長官の口癖ではないが「問題ない、問題ない。全く問題ありません」は問題ありだ。(K)※敬称略
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日刊スポーツ 2019年9月21日