英最高裁は24日午前、ボリス・ジョンソン英首相が5週間にわたり議会を閉会したのは、違法だと判断を示した。ジョン・バーコウ下院議員はこの「明確」な判決を受けて、25日午前11時半に下院の議事を再開すると表明した。野党からは首相の辞任を求める声が相次いでいるが、ジョンソン首相は司法判断を尊重すると述べた。
ジョンソン首相は女王の裁可を得て、5週間におよぶ議会閉会を決定し、9月10日から議会審議を停止させていた。これについて最高裁は、政府の行動を問いただすという議会本来の職務遂行を首相が妨げたことは違法だと、判事11人の全員一致で判断した。最高裁判断によると、首相の議会閉会は無効で、議会はただちに再開できることになる。
最高裁長官のレイディ・ブレンダ・ヘイル(リッチモンドのヘイル女男爵)は、首相による議会閉会は「この国の民主主義の根幹」に「極端」な影響を与えたと述べた。
ヘイル長官はさらに、「議会閉会を女王に進言するという判断は、違法だった。なぜなら、相当な事由のないまま、議会がその憲法上の機能を果たす能力を、妨害もしくは阻止する効果があったからだ」と判断を示した。
ヘイル長官は、首相の決定は無効で、議会は閉会されていないというのが、最高裁判事11人の一致した見解だと説明し、今後の展開については下院と上院の議長がそれぞれ判断することだと述べた。
これを受けてジョン・バーコウ下院議長は最高裁判決を歓迎し、議会は「遅滞なくまた集まらなくてはならない」と述べた。バーコウ議長は議会前で記者団に対して、「最高裁の判断は明確」で、「議会の役割は政府を監視し、政府の行動を点検するものだという国民の期待に応える義務がある」と述べ、議会再開のための手続きを指示したと表明。さらに、下院議員は明日25日午前11時半に下院に参集するよう、各党に通達したと述べた。ジョンソン首相はニューヨーク滞在中のため、首相への代表質問はできないが、閣僚との緊急討論は可能だと説明した。
一方で、国連総会出席のため訪米しているジョンソン首相は滞在先のニューヨークで、最高裁判断にはまったく賛同しないものの、その決定を尊重するつもりだと述べた。さらに首相は、今も引き続き10月末までにブレグジットを実現する覚悟だと強調した。
続きはソースで
英最高裁、首相による議会閉会は違法と歴史的判断 - BBCニュース
https://www.bbc.com/japanese/49811809