アメリカとアジアで野鳥の数が「危機的状況」にあることが、学術誌「Science and Biological Conservation」に発表された2つの最新研究で明らかになった。
うち1つでは、アメリカとカナダの野鳥の個体数が、1970年と比べて30億羽ほど減少していることを突き止めた。これは全体の29%に当たる。
もう1つの研究では、インドネシア・ジャワ島での「アジアのソングバード(鳴き声を聞いて楽しむ鳥、鳴き鳥)危機」を紹介。野生よりも飼育されている鳥の方が多くなったことを指摘した。
研究チームは、こうした事実が自然保護のきっかけになると期待している。
30億羽の野鳥はどのように姿を消したのか?
北米での研究では、草原や海岸、砂漠といったさまざまな生息地で、野鳥がどれくらい減少したのかが明らかになった。
野鳥減少の理由については直接的な評価はしなかったものの、研究チームは、人間の活動によって生息地が失われたことが最大の要因だと結論付けている。
この研究を主導し、コーネル鳥類学研究所やアメリカ野鳥保護委員会に所属するケン・ローゼンバーグ博士によると、この研究は野鳥の「個体数を数えた」最初の試みだという。
BBCの取材でローゼンバーグ博士は、「いくつかの種が減少しているのは知っていたが、希少種が減っている一方で、もっと適応力の高い鳥、人間環境により慣れた鳥が減った分を埋めていると思っていた」と話した。
研究チームは、1970年以降、北米大陸で行われたあらゆる野鳥研究のモニタリングデータをかき集め、野鳥の数を集計した。
「その結果、野鳥の総数自体が広範囲で減少していることが分かった。何よりも衝撃を受けたのは、より一般的な鳥、家の庭にいるような適応力の高い種ほど減少幅が大きいことだった」
ローゼンバーグ博士はまた、この傾向は世界の別の地域にも当てはまるだろうと指摘した。もうひとつの研究で明らかになったアジアの状況は特に、人間による野鳥絶滅の危機を示している。
続きはソースで
北米の野鳥、過去50年で30億羽減少か アジアでも危機 - BBCニュース
https://www.bbc.com/japanese/49765214