サウジアラビアは、高高度からの攻撃を抑止するため、数十億ドルを費やして西側から最新鋭の防空システムを購入してきた。だが、同国の巨大な石油産業の施設が大打撃を受け、安価な小型無人機ドローンや巡航ミサイルによる攻撃からの防御には、全く役立たないことが、図らずも証明されてしまった。
14日の攻撃で、サウジの原油生産量は約半分に落ち込んだ。隣国・イエメンとの4年半に及ぶ戦争で何度も重要資産が攻撃を受けながら、同国が適切な防衛態勢を整えていない実態を露呈した。
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当初、専門家はドローンによる攻撃と特定していたが、3人の米政府高官は、ドローンと巡航ミサイルを組み合わせた攻撃方法であり、初めに考えられたよりも複雑で高度な作戦だったことがうかがえると述べた。
サウジの安全保障専門家の1人は「サウジにとってこの攻撃は(米中枢同時攻撃の)9・11のようなものだ。今回の攻撃は、これまでの状況を一変させるゲームチェンジャーだ」と指摘。さらに「われわれが国防のために数十億ドルを投じた防空システムと米国製兵器は、どこにあるのか。これほど精密な攻撃ができるなら、海水淡水化工場などもっと多くの施設が標的になりかねない」と懸念する。
主要な都市や施設にサウジが配備している防空システムでは、長らく米国製の長距離地対空ミサイル「パトリオット」が、主要な役割を果たしてきた。実際、フーシ派がサウジの都市に向けて発射した高高度飛行の弾道ミサイルは、首都・リヤドを含む主要都市で見事に迎撃されてきた。
ところが、ドローンや巡航ミサイルは、より低速かつ飛行高度も低く、パトリオットにとって検知・迎撃が難しい。
ペルシャ湾岸諸国のある高官は「ドローンは、サウジにとって非常に大きな試練だ。なぜなら、しばしばレーダーをかいくぐって飛んでくる上に、イエメンやイラクとの国境線が長いためで、大変脆弱な状況に置かれている」と指摘した。
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焦点:サウジ防空システムに欠陥、ドローン攻撃に無防備 - ロイター
https://jp.reuters.com/article/saudi-defense-drone-idJPKBN1W30K6