(一部抜粋)
「童貞の方が真面目で信頼できる」
「性経験が多い男の方が上」だって!?
私が接しているのは、とりあえず明日の米の不安はない若者たちだ。彼ら彼女らと話していると「恋愛やセックスに興味がないわけじゃない。でも他にもっと興味のあることがあって、そっちにリソースを割きたい」という声が多い。
先日、若いお嬢さん方と縁結びで有名な神社に行った時も、彼女らは「とうらぶ(ゲーム『刀剣乱舞』)のチケットが当たりますように」と祈願していた。
恋愛やセックス以外に楽しいことがいっぱいあって、毎日忙しいし充実している。いつか結婚して家族はほしいけど、婚活とかダリぃな、というのが男女共通の意見のようだ。
私は1976年生まれの43歳、都会出身で都会の大学に進学したが、その時に「地方出身の男女はおさかんやな」とびっくりした。
「中二の時に神社で先輩と初体験した」とかヤンキー界の話だと思っていたが、進学校出身でホットロードを爆走してない同級生らが「ド田舎で他にやることなかったから」と話していた。
「テレビもねえ!ラジオもねえ!」までいかなくても、「アマゾンもねえ!ネトフリもねえ!ソシャゲも全然流行ってねえ!」みたいな状況だと「神社でセックスしかやることねえ!」となるのかもしれない。その点、今は家から一歩も出なくても楽しめる時代だ。
「最近の若者は草食系で情けない、俺が若い頃は…」と武勇伝を語るおじさんがいるが、彼らの若い頃はコンテンツが少なかった。かつ「恋愛やセックスをせざるは人にあらず」という恋愛セックス至上主義が根強かったと思う。
20代の頃、私のいた広告業界では、武勇伝おじさんがヤリチン自慢や童貞イジリを繰り広げていた。「性経験が多い方が男として上」という価値観は、男社会が勝手に作り上げたものである。
25~34歳の女子たちにヒアリングしたところ、「男子から童貞だと言われたらどう思う?」という質問に「ふーん、そうなんだと思う」「べつに何も気にならない」という答えだった。また「童貞とヤリチン、どっちと付き合う?」という質問には、満場一致で「絶対童貞」と答えていた。
「童貞の方が真面目で信用できる」、「ヤリチンは女を食いものにするクズ」「性病をばらまく細菌兵器」というのが彼女らの意見だ。また「草食系男子やジェンダーレス男子が増えることで、世の中が安全になると思う」という言葉が印象的だった。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66677?page=1
2019.8.23 アルテイシア 週刊現代