道東沖サンマ漁の主力となる棒受け網漁の小型船(10トン以上20トン未満)が漁の序盤から苦戦している。10日の解禁後に道東各港から約40隻が出漁したが、14日現在で水揚げはゼロのまま。主漁場のロシア200カイリ水域で魚群が見つからず、やむなく道東沖で、資源が増えているマイワシを漁獲している船もある。この時期に高値がつく「はしり」のサンマが取れない異例の事態に、漁業者は頭を悩ませている。
14日早朝、根室市の花咲港に小型船8隻が次々帰港した。各船が水揚げしたのはサンマではなく、価格が安いマイワシ。乗組員は作業を終えると、うつむき加減で船を下りた。浜中漁協所属の栄竜丸(19トン)の甲板員小林正明さん(51)=岩手県山田町=は「一度はサンマ漁に出たが、魚群が見えないのでマイワシ漁に変えた。例年少なくとも魚群は見えていたので異常事態だ」と懸念する。
全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)などによると、15日以降に帰港する予定の小型船もサンマの水揚げはない見込み。昨年は8月14日に16隻が花咲港で計119・3トンを初水揚げしていた。
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サンマ小型船、苦難の船出 棒受け網漁、水揚げゼロ 魚群見えず:北海道新聞 どうしん電子版
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